介護と「怒り」

めんたる

なぜイライラする?

利用者にいつもやさしく、丁寧な対応をしたいと思っていても、イライラしてしまったり口調がキツくなってしまったりすることはあります。感情的になる自分に落ち込むこともあると思います。介護職も人間です。何も感じない方がおかしいと思います。

そのような時、専門職としてどのように自分と向き合い、どのように利用者と対応していけばよいでしょうか?

【具体例①】依存的でがんばろうとしない利用者

利用者Aさんは、自分で車いすに乗ったり、トイレも軽介助でできるADLの方です。最近、コロナの居室安静期間がありADL低下傾向にありますが、がんばれば自分でひと通りのことはできます。

それなのに、何度もコールしてきて意味不明なことを言ったり、体を起こしたり、トイレに立つのも全介助だったり…昼間なら他の職員もいるので負担は感じませんが、夜間10分に1回もコールされると他の方の対応ができなくなってしまいます。さらに、この方は以前職員へのクレームを上げたこともあり、心理的ストレスの原因となっています。

【具体例②】オムツ交換に抵抗する利用者

利用者Bさんは、会話のやりとりはできない方で寝たきりの生活を送っています。オムツ交換の時、両手がお腹のほうに下がってきて、とても交換しづらい状況です。会話はできませんが、「いやっ」とかうなり声は上げます。身体全体で抵抗するのでこちらも力が入り、とても腰がつかれてしまいイライラしてしまいます。

ほんとうは介護職としてやさしく丁寧に対応したい。でも利用者に腹が立ってしまう自分がいやです。どのようにコントロールしたらよいかアンガーマネジメントの理論に基づいて考えてみました。

アンガーマネジメント 3つのステップ

①衝動のコントロール

「怒り」を感じた瞬間に 6秒間じっと待つ

人間は6秒ほど経過すると、理性が働いて客観的な判断ができるようになる

②思考のコントロール

「許せる」ことか、「許せない」ことなのか客観的に評価する。

許せないことに対しては、相手に何らかの働きかけをする必要がある。

③行動のコントロール

重要か重要でないか
変えられるか変えられないか

重要・変えられる→行動に起こす必要ある

 

まとめ

専門職として感情に流されて利用者に不利益を与えるのは良くありません。介護職は利用者の利益となる対人援助サービスなので、自分の感情をコントロールする必要があります。

上記の「怒り」を感じた時、怒りのまま行動するのではなく、まずは気持ちを落ち着かせる。

相手の言動が許されることなのか、許されないことなのか、

そして、自分が相手に与える言動が相手を良くすることにつながるのか、つながらないならどうすればいいか

利用者の行動はストレスを与えることもありますが、もしかしたら、私たち介護職に学びの機会を与えてくれていることなのかもしれません。

 

 

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